SDGs 時代のプラスチックとゴミと環境政策

中国における廃棄物(ごみ)問題と、プラスチックについて

中国における廃棄物(ごみ)問題と、プラスチックについてご紹介したいと思います。
中国では近年、急速な経済発展に伴い排出される廃棄物の量も増加してきていましたが、その処理体制は十分とは言えず、これが大きな社会問題になってきていました。さらには包装容器などのプラスチックごみの排出量も多く、そのことで引き起こされる海洋や土壌汚染は白色汚染と呼ばれ問題視されておりました。その対策としてプラスチック製品に規制がされましたが、需要の増大と経済発展によりますます深刻化してきていました。こうした事情の背景があり2017年に使用済プラスチックについて輸入禁止の措置がとられ、それにより翌年には前年比で約46.5%の減少、さらに19年前半には前年同期比約28%減少と順調に効果が現れていました。また、日本からも2017年には約130万tの使用済みプラスチックを資源として輸入していましたが、2018年には約5万tに激減し禁止措置の有効性を確認できます。
このように輸入禁止措置が効果をあげているその一方で、中国国内の資源循環を高めるため、廃棄物の回収率を上げる分別の罰則付き義務化の動向を見たいと思います

2017年、生活ごみ分別制度実施計画が公表され、北京市・上海市の直轄市など46重点都市において、2020年までに生活ごみの強制分別(罰則付き義務化制度)を実施することになりました。これを受けて19年7月に上海市で生活ごみ管理条例が施行されました。この条例は、生活ごみをリサイクル資源(缶、瓶、プラスチックなど)、有害ごみ(電池など)、湿ったごみ(生ごみなど)、乾いたごみ(紙屑、おむつなど)の4種類に分別することとし、決められた場所・時間に出すことになっています。そこで注目されるのが罰則です。その内容は、個人が違反した場合には最高200元(約¥3,100)、事業者は5万元(約¥78万)の罰金が科されます。

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施行から3か月間において、回収したリサイクル資源は約5,960t/日、前年比5.6倍、有害ごみは約1t/日、前年比10倍以上。湿ったごみ(生ごみ)は約8,710t/日、前年比約2倍、乾いたごみは約14,830t/日、前年比33%減と適正な分別の効果があったことが分かります。特に生ごみは水分を多く含んでおり焼却の際に、温度を下げることから、対象から除くことで助燃材も減らす効果も上げております。

また、北京市おいては条例の施行に先行して、2019年夏から顔認証によるスマートごみ分別設備が設置されております。これはスマートフォンのアプリを使い、設置されたカメラに顔を映し認証されると投入口が開き、ごみを捨てることが出来ます。これによりポイントを貯められ分別投入の意識を高められると共に、投入者を特定しやすくなるため不正投入の防止にも繋がります。ただ、違反者については浸透しつつある社会信用システムの、個人スコアに影響するとも言われており、適正な分別に効果は発揮しますが、監視社会を強めてしまう懸念もあります。

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上海・北京市以外の都市でも実施されており、中国各地で強制分別が進行しております。現在のところ一定の効果はありますが、今後使い捨て日用品や、ファーストフードのデリバリーが急速に普及することにより、生活ごみの総量が増え、ごみ箱が溢れかえる状況も考えられます。

 

リグニンについて

化石燃料に代わってプラスチックや糸の原料になる素材として、注目されている「リグニン」について調べてみました。このリグニンはほぼすべての植物に存在し、果物や野菜にまで含まれており、普段から食物繊維として日常的に摂取しています。炭素を多く含む化学組成を持ち、自然界に豊富に存在し、木材に含まれるリグニンの量は25~35%、セルロースに次いで、世の中で二番目に多い高分子です。

紙の原料となる紙パルプを作る際に生み出される、「黒液」と呼ばれている形で生成されるタール状の廃液で、長い間そのままバイオ燃料として燃やされエネルギー源として電力を供給してきました。

リグニンの将来性は高く、ここ10年で研究開発が進み断熱材や車の内装材、ソファーの発泡材、接着剤、炭素繊維など様々な形状で使用出来るようになってきました。

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中でも接着剤は細胞どうしを結びつけるリグニンの持つ特性を活かし、路面舗装や屋根材に使われる原油由来の瀝青に代わるものとして、スウェーデンやオランダでは粉末状リグニンを原料とするアスファルトで道路が舗装されています。
しかしながら、木材の種類や生育環境、取り出し方法により性質が一定にならないこともあり、品質のコントロールが難しく材料化は難しいとされてきました。そこで目をつけられた木材が、日本の森林の約20%を占める針葉樹のスギです。スギは林業として持続的な生産も可能であり、国産資源として活用が期待されます。当然のことながら自然界の素材が元であるため、海洋汚染等をもたらすこともないので、環境にやさしい素材として様々な用途への展開が期待されています。

 
 

代替プラスチック素材の開発実用化に向けて進む、スタートアップ企業

今日私たちがが使用しているプラスチックは、何百万年も地中に眠っていた石油を掘り起こし、人間が手を加えて創り出した便利な素材ですが、食品などの包装容器はわずかな期間使用しただけでゴミに変えてしまっています。きちんと回収しリサイクルされ改めて資源として活用されていればいいのですが、現実は廃棄もしくは海洋プラごみとなっています。
そこでご紹介したいスタートアップ企業は、「包装容器を消す」ことを目指すイギリスのNotplaです。Notplaがつくる海藻由来の代替プラスチックの袋Ooho!は使い終わると消えてなくなります。
袋は天然資源の海藻から作られているため食べることができ、食べない場合も4週間から6週間で生分解されます。テイクアウトする際のソース入れや、水を入れてペットボトルの代わりとして利用が可能です。
実際にロンドンマラソンでは2017年から給水所でペットボトルの代わりに、水の入ったOoho!が配布されています。

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次にご紹介するスタートアップ企業はケンブリッジ大学のXamplaです。
Xamplaが目指すのは100%植物由来のたんぱく質からつくる、100%無害な生分解性プラスチックの代替素材で、マイクロプラスチックと使い捨てプラスチックに取って代わることです。柔軟剤などに使われる、マイクロカプセル(香り成分を閉じ込める)は粒子が細かく目に見えないため、回収しリサイクルすることが難しく、生活排水に混ざり川から海に流れ出し生態系に負担をかけています。
その量は年間ペットボトル100億本分ともいわれており、今後20年間で40万tものマイクロプラスチックが海に排出されると見込まれています。Xamplaの技術によりこのマイクロプラスチックは、植物性タンパク質由来の生分解する素材に置き換えられることになります。ただ今後は、プラスチック特に使い捨てプラスチックに対する依存を減らすことが急務と思います。使用期間が短い使い捨ての包装容器を製造すること自体、貴重な資源やエネルギーを費やすからです。昔日本にもあった量り売りのシステム、家から容器を持って行き必要な時に、使う分だけを購入する生活様式を今一度見直す必要があるのではと感じました。

土壌汚染を解決するため取り組みを強化する中国農村の現場について

1990年代以降、農業フィルムは畑の水分や熱を逃さずに保ち、雑草や害虫を防ぐことが出来る為、多くの農家が使用するようになりました。その結果、ある村のトウモロコシの収穫量は、1畝(約670㎡)あたり800㎏に増加したとの事です。便利な農業フィルムは2024年までには、その使用量は200万tを超え、2200万haの農地に使用されると見込まれています。ただフィルムの厚みが0.008㎜と薄く、破れ細分化されやすい難点があり、そのため農家は収穫後、機械での回収や人手での回収が難しく、畑に鋤き込むか、そのまま放置されてきました。その結果、土壌に残留するフィルムが長年蓄積されたことで、作物の根に対する悪影響や水分吸収を妨げ、生育を害し800㎏あった収穫量が、近年は600㎏程度まで低下してしまったとの事です。また、村の景観も破れ細分化したフィルムが風で宙に舞い、汚れた様相に一変してしまいます。

中国政府は農業用フィルムによる土壌汚染に歯止めを掛けようと、2018年、農業フィルムの厚みの基準を0.008㎜から0.01㎜に変更し、基準未満の製造、販売、利用を禁止しました。農業フィルムの利用が3番目に多い甘粛省では、国に先駆け2014年から条例で0.01㎜未満の製造等を禁止しました。
しかし、厚膜の普及が始まったものの、農家からすると以前は5㎏の薄膜で2畝の畑を覆えたのに、厚膜になると覆えない。薄膜は1畝30元に対し、厚膜は倍の60元も掛かってしまうため多くの農家は前向きではありませんでした。同時に使用済みの廃膜の回収も呼びかけましたが、その効果は大きくありませんでした。変化が起こったのは、廃膜を1㎏持ち込み1元を受け取るか、廃膜5㎏と新厚膜1㎏を交換できる奨励策が打ち出されてから、農家が回収に積極的になってきたとの事です。
さらには農家が新厚幕が破れ細分化されず、機械回収により省力化出でき、費用、労力の削減になるといった利益を体感した点も、新厚膜が定着した重要なことだったと思います。

新厚膜の使用と廃膜の回収の取り組みを行う、モデルである甘粛省臨澤県では、71の全村に回収拠点を設け、運搬車、計量設備、消防設備、検査などの管理体制を整え、2018年には村で回収、町で搬送、県で処理といった仕組みを構築しています。
県は廃膜1㎏に対し2元を補助し、そのうち1元を回収人に、残り1元を搬送・処理企業に補助しています。処理企業は、廃膜を加工し新たなプラスチック製品を作り出す計画との事です。

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また臨澤県では厚膜などの農業資材の検査能力を高め、違法な厚膜が市場に流入しないよう、春先に農業委員会、購買組合、公安などと連携し、特別検査を行い違法な厚膜を取り締まる取り組みも行っています。県内の多くの村が新厚膜の使用と回収を村の規約に加えており、秋の収穫後の廃膜回収、回収拠点への運搬、さらには無料で袋を農民に提供し自発的回収を促しています。
このように同省は、2020年を目途に廃膜回収比率を80%以上にする目標であり、条例施行後この短期間でここまで回収率を引き上げる取り組みは、他の国でも注目し、世界中で発生している土壌汚染の解決に向けて、取り組むべきだと思います。

 

「プラスチック資源循環促進法」について

日本では年間約850万tの廃プラスチックが発生しております。そのうちの約22%186万tが製品への再生利用マテリアルリサイクルされ、約60%514万tが燃料としてエネルギー回収されています。ケミカルリサイクル約3%27万tの合計約727万tが有効利用されています。その一方単純焼却に約8%の70万t、埋立に約6%の54万tと利用されていない廃プラが約125万tもあります。

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出典:(一社)プラスチック循環利用協会

そこで登場するのが4月に施行が迫った「プラスチック資源循環促進法」です。これは過剰包装の食品容器や、一度の使用で廃棄するプラスチック製品の見直しや削減を促すものです。削減義務の対象品は、フォーク・スプーン・ナイフ・マドラー・ストロー・ヘアブラシ・くし・剃刀・歯ブラシ・シャワーキャップ・ハンガー・衣類用カバーの12品目です。対象事業者は使い捨てプラスチックを年間5t以上使用する百貨店・コンビニ・スーパー・ホテル・クリーニング店などです。求められる対策は目標を設定し有料化、再利用などでの使用量の削減。この制度の画期的な点は、メーカーや小売業者に使用済み製品の自主回収を認めたところです。現状は廃棄物処理法の許可がないと回収が出来ず、メーカーはリサイクル業者を経由して再生プラスチックを購入していました。自主回収が可能になると良質な再生プラスチックが入手し易くなりますので、今後は製品への転嫁が加速すると思われます。
持続可能な開発目標が社会に浸透することで、環境や社会に配慮した素材や商品が評価され再生プラス
チックの需要が増えそうな予感がします。

 

中国のプラスチック規制について

中国政府は2020年1月、使い捨てプラスチック製品等の生産とその使用を禁止する、強力な政策を発表しました。これまでもプラスチック制限令は実施しておりまして、その効果としてスーパーなどの袋の使用量が2/3以上減少したなどの報告もありました。その一方、この措置をもってしても経済成長、消費の拡大、さらにはフードデリバリーなどによる包装や袋、容器等を大量に使用され続けた結果、プラスチックごみは増加の一途です。

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こうした実態を受け、先の政策を打ち出し、2020年末までにプラスチック製品の生産、販売及び使用を禁止や制限することになりました。具体的には使い捨て発泡スチロール製食器の生産と販売を禁止。またマイクロビーズ(洗顔料などに含まれる)を含む日用品の生産の禁止、22年末までに販売も禁止になりました。
プラスチック袋については、これまで実施してきた暑さ0.025㎜未満のレジ袋の生産・販売の禁止は継続しつつ、今回の新政策は北京や上海などの直轄市や主要都市での、レストランやフードデリバリーなどにおける、生分解性ではない非分解性袋の使用を禁止することになりました。
ストローについても全国のレストラン業界において、使い捨てのものは使用禁止になります。同様に使い捨ての非分解性の食器も禁止されます。
今回の政策には生分解性プラスチックへの代替が、含まれていますので大きな効果が期待できると思います。

ただし課題もあります。例えば非分解性の袋は大都市においては、20年末までに禁止されますが、周辺の中小都市では22年末までにその範囲を広げるとされていますので、禁止範囲が混在してしまう問題があります。また、生分解性と非生分解性の見極めが容易ではないことも問題ですので、生分解性製品の生産と、その供給体制を早いうちに確立必要があると思われます。
このように、2020年初めにプラスチック製品への厳しい禁止政策が公表され、その期限が年末といったことは日本では考えられない急な政策ですが、海洋や土壌などへのプラスチック汚染が深刻化するなか、他の経済圏でも使い捨てプラスチックへの規制が出されております。
中国政府はスピード感をもってプラスチック規制を始め、環境対策を行いながら、生分解性プラスチックといった巨大な市場を創り出しています。日本政府もこうした動きは大いに考慮し戦略を練る必要があると思います。

 

プラスチックを食べる虫、ワックスワームについて

プラスチックごみ問題を解決する可能性を秘めた、プラスチックを食べる虫、ワックスワームについてご紹介したいと思います。分解されることなく、いつまでも土壌や海洋に残って汚染するプラスチックごみは、現代社会の共通の問題です。
ハチノスツヅリガの幼虫ワックスワームは、ミツバチの巣に寄生して蜂蜜を食べるために害虫として嫌われている厄介ものです。

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そんな虫ですが、レジ袋などの自然界では分解できないポリエチレンを食べて、「エチレングリコール」というアルコールに分解してしまう、驚くべき能力を持っています。カナダの大学の研究グループが、ワックスワームの体内にある腸内細菌がこの分解能力の正体であることを突き止めました。その分解能力は、60匹で1週間足らずで30㎡ものプラスチックごみを食べ尽くしたとの事です。また、この腸内細菌はポリエチレンのみで繁殖し、1年以上生きていられることも確認されています。このアルコールに分解されるメカニズムや、細菌が繁殖する条件をさらに研究し応用することで、よりよい解決策を考えられるかもしれません。
ただプラスチックごみの規模が大きすぎて、その研究が効果を発揮するまで、相当な時間が掛かると思われます。大切な資源をワックスワームに食べさせ処理することより、高品質なポリエチレンは他の製品にリサイクルすることも可能です。新しい処理方法を研究することも大切ですが、今の我々に出来ることは、やはりリサイクルやごみの分別を徹底するなど、プラスチックを大切な資源として向き合う必要があると思います。

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今後の世界の塩ビ需要について

日本国内の塩ビ需要は少し頭打ち状態ですが、インフラ投資を増やしているアジアを中心に世界需要は好調であり、輸出は今後も増加傾向で推移していくと思われます。特に塩ビの場合、インフラや住宅建築との関連性が強く、今後の人口増加や経済成長が塩ビ需要につながっていきます。そこで主要市場の米国、成長著しいアジアの中国・インド市場について動向を見たいと思います。
コロナ禍により米国経済は一旦落ち込みましたが、耐久消費財、自動車製造、住宅着工のいずれも回復
傾向にあり、2019年10月の住宅着工件数は153万件で前年対比14%増と好調な数字を示しています。また、2019年1月~10月の塩ビの累計出荷量前年対比は2.8%増、10月単体では前年対比14.1%増と大幅な伸びを示しています。アメリカで住宅を建築する際、日本のように一戸単体で建築するのではなく、新たに広域開発を進めそこに上下水道を敷設することが多く、使用するパイプも直径150㎝もの大口径(厚み6㎝)を用いる為、塩ビの使用量も格段に大きいといえます。(日本は最大口径60㎝)

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続いて中国塩ビ需要の推移です。成長率にばらつきはありますが、使用量でみると順調に伸び続けています。個別分野ではパイプ・建材の需要が全体量の約45%と大きく、さらにここ数年は毎年約50万tずつ安定して伸びております。中国は軟質塩ビ製品の世界最大の輸出国であり、子供用のウォータープール、エアベッド、クリスマスツリー等多岐にわたり多くの加工製品を世界へ輸出しております。

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インドも農業やインフラ需要を中心に順調に需要が伸びています。インドにとって食料問題は最重要課題であり、灌漑用の塩ビパイプはインドの農業を支えています。さらに上下水道の敷設、住宅建設も塩ビ需要の底上げをしており、塩ビ用途の約70%はパイプ用に使われ生活に密着していることが分かります。このように好調な需要の伸び(年率6~7%)に国内の供給能力が追い付かず、塩ビを輸入に依存しつつ需要の伸びが続いています。

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世界全体でのPVCの需要量は約4,500万tで、一人あたりの年間消費量は約6.0㎏と推定されます。
一人当たりのGDPが2~3万ドルを超えると塩ビの消費量も10㎏/人前後に落ち着くようです。これでみると、米国の需要は落ち着いているようですが、人口増加による伸びが今後も期待できます。
また中国の場合も同様に、すでに消費量は10㎏に達していますが、一人当たりのGDPが高くないことから、今後もしばらくは需要量が増えていくことが期待できます。インドに至ってはまだまだ一人当たりのGDPも塩ビ消費量も低いことから、成長するにつれて爆発的に塩ビ消費量が増えていきそうです。

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海洋プラスチックを削減する工夫や、出てしまった海洋プラスチックの再利用について

世界の海に存在しているプラスチックごみは合計で1億5000万tに達しており、さらに毎年800万tもの新たな海洋ゴミが加わっているとのデータがあります。海洋ゴミというと捨てられたペットボトルや、埋立られたゴミが流出するイメージがありますが、歯磨き粉や洗顔剤内のスクラブ、タイヤが摩耗して発生する破片が河川から海に流れだしたものも海洋ゴミになってしまいます。
そこで対策の一つとして世界規模で取り組まれている、使い捨てプラスチックの削減があります。日本でもレジ袋が有料化されましたが、すでに45か国で袋の使用が禁止にされており、ヨーロッパではストローやマドラーなどの使い捨てプラスチックの使用が禁止されています。また、プラスチック製品の削減以外では海洋プラスチックの再利用がSDGsの一つとして、企業単位で取り組みがされています。

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<画像「バービー うみとともだち」 提供:マテル・インターナショナ」>

玩具メーカーである米国マテル社の日本法人マテル・インターナショナル(株)が海洋プラスチックのリサイクル素材を使用した「バービーうみとともだち」シリーズの発表をしました。マテル社は取り扱っている製品を2030年までにリサイクルした材料、再生可能な材料、またはバイオベースの材料に変えていこうという目標を掲げております。人形には海洋プラスチック由来のリサイクル材料を90%使用、ドレスやアクセサリーなど付属セットには90%以上のリサイクル材料を使用し商品化しています。同社がこのように玩具を通して環境にいい取り組みを発信することで、我々も環境への意識が高まり、地球にやさしい行動がとれるのではと感じました。

 

廃プラスチックのリサイクル方法

有用な材料「プラスチック」は20世紀後半から石油化学製品として、大量に生産され私たちの生活を便利にしました。ガラス瓶や金属の缶はPETボトル・PP製容器にかわり、紙袋はポリエチレン製のレジ袋へとかわりました。それに伴い家庭から出されるプラスチックごみも燃えるごみの量と変わらなくなっていると思われます。2018年に発表された報告書によりますと、2015年の全世界でのプラスチックごみの量は約3億200万tにのぼり、1980年の約5000万tと比較しますと約6倍に増加しています。

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しかしそのリサイクル率は全世界で約10%に留まっています。リサイクルされず投棄や埋め立てに回った、プラスチックごみは腐敗も分解もしないため、溜まる一方で、その量は2015年時点で約54億tになっており、現状のペースで増加した場合2050年には約120億tに達する見込みで、世界中がごみだらけになってしまいます。そこでリサイクル方法の一つとして注目されるのが、アスファルトの原料として廃プラを使用するマテリアルリサイクルです。東南アジアやインドでも廃プラを配合したアスファルトによる道路舗装の研究や実用化が始まっております。廃プラを用いることで骨材とアスファルトのバインダーとして働き、クラックや轍の発生が抑えられる他、アスファルトの軟化点が下がることで、施工温度が下げられるメリットがあります。マレーシアの事例では、従来の舗装部分で6か月でクラックが発生したのに対し、廃プラを配合した部分は12か月経過後もクラックの発生はないとの事です。
さらに、廃プラがアスファルトに融解しておりマイクロプラスチックの流出も認められないとの事です。

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この利用方法は排出された、全ての廃プラが適してしるわけではありませんが、地場で消費できるメリ

ットがあります。舗装道路向けの廃プラ利用は、新興国の廃プラスチック問題の解決方法の一つである

と期待できます。

 

バイオ・生分解プラスチックをめぐる韓国の動向について

使い捨てプラスチック製品市場が減少傾向にある一方、生分解プラスチック市場は2019年の消費量が2012年の22万tから52万tに増加しています。日本でも同様に2019年プラスチック資源循環戦略決定やレジ袋使用規制もあって、生分解プラスチックは6万t、対前年14%増と増加傾向にあります。韓国も脱炭素社会やプラスチック汚染防止策が急がれる中、業界の関心は高まっており、生分解プラスチック市場は4万tで国内プラスチック市場の0.5%を占めています。
韓国の生分解性バイオプラスチック産業で特徴的なのは、市場需要が大きく見込み始めたことから2022年以降の大規模生産に向けて、化学企業だけでなく食品企業も生分解性バイオプラスチック素材の開発に乗り出している事であり、また中小企業が中心となってPBSやPBATなどの、生分解性樹脂を輸入・加工しプラスチック製品を生産する産業システムが動き出していることです。
CJ第一製糖は、PHA(Poly Hydroxyl Alkanoate)を主力製品として、生分解プラスチック素材事業に本格的に乗り出しました。PHAは100%海洋生分解性の環境プラスチック素材として注目されており、2021年7月までに5,000t以上の注文を受けており、専用生産ラインを新設し大量生産に向け動き出しています。
SKグループのSKCは、生分解PLA(ポリ乳酸)フィルムを商用化し、スターバックスのバナナ、マフィン
などの包装材として幅広く使用されています。SKケミカルもトウモロコシを発酵させた100%のバイオ原料を基にしたPO3G(バイオポリオール)を2020年に開発しました。PO3Gは弾力性を必要とする洋服や家具などに使用され、従来のポリオールと比較して、CO₂発生量を40%削減する100%バイオマテリアル原料を使用しています。

バイオ・生分解プラスチックをめぐる韓国の動向について

ロッテケミカルはトウモロコシとサトウキビで作られたバイオPETの生産に成功し、パイロット規模の生産研究開発を行っています。また、ターゲットグループはデンプン生分解性バイオプラスチックの研究開発を行っており、食品業界で初めて本格的な生産を進めています。

韓国はこれまで輸入原料を活用し、樹脂加工や成型技術を用いて実用化してきたのに対して、上記のように、ここ最近は生分解性バイオプラスチックの原料生産から製品供給まで、多くの企業が本格的に動き出しております。

 

スペインでの農業廃プラスチックのリサイクル状況について

EUのPlastics-the Facts2019によりますと、EU加盟国にスイス、ノルウエーを加えた廃プラ回収量は、2006年24.5百万tから2018年29.1百万tに増加し、2018年の処理形態はリサイクル32.5%、熱回収42.6%、埋立24.9%でした。
2006~2018年の変化を見ますと、2006年12.9百万tあった焼却は2018年-44%の7.2百万tに減少、熱回収が7.0百万tから+77%の12.4百万tへ、リサイクルが4.7百万tから+100%の9.4百万tへとそれぞれ増加し、循環型社会に向かって大きな変化が起きています。
また、2018年のリサイクル率等を国別にみると、ノルウェーがリサイクル率45%、熱回収52%、埋立3%で一番高く、二番目にスペインのリサイクル率42%、熱回収19%、埋立39%となっています。スペインは農業用プラスチック資材の使用量が220千t(2015年)とEU全体1,300千tの約17%を占め、EUで最も多いこともあり、その後の行方について注目したいと思います。

 

スペイン国内ではアンダルシア地方がフィルムの利用量が多く、ハウス被膜面積は40,000haを超え、全国のハウスやマルチの75%以上を占めています。その中でもアルメリア県は世界最大のハウス施設の集積地としてプラスチックのまちと呼ばれるほどです。スペイン南端に位置するアルメリアは、1960年代以前は水不足、強風などにより最窮乏地域のひとつでしたが、1970年代以降この地域に園芸農業が導入され始め、今日では35,000ha(東京ドーム約7,500個)を超える園芸施設が展開され、年間生産量約3,300千tの農産物を供給する一大園芸地域になっており、スペイン農地の0.2%しかないのに、農業生産の約20%、園芸作物生産量の約60%を占めるまでになっています。

スペインでの農業廃プラスチックのリサイクル状況について

園芸農業35,000haから排出される廃棄物は、総量約90,000t、施設構造物41%、LDPE38%、HDPE10%、PP5%、その他6%でプラスチック類は約60%を占めています。アンダルシア州ではリサイクルを含む農業用プラスチック総合管理システムが1999年に創立され、農業者は資材別に分別し、近隣の管理センターに運搬することでこのシステムに参加しています。これにより、2008年までに州全体で約73%のリサイクル率を実現、2016年には約39千tの農業廃プラがリサイクルされ、その率は75%になっています。

ただし、アンダルシア州海岸部の残留廃棄物として農業廃プラが取り上げられることも多く、スペイン南部の海洋汚染の約33%は農業廃プラだと指摘されている事実もあります。排出される廃棄物が膨大なため、たとえ未回収率が低くても、見逃すことが出来ない量になることも認識する必要があると思います。

 
 

プラスチックごみを海洋に流出している川について

​​世界全体で年間およそ800万tものプラスチックごみが、海洋に流れ込んでいますが、どこから海に流れ込んでいるのでしょうか。
2017年の研究結果では約90%がナイル川、長江、アマゾン川など世界有数の10大河から流れ込んでいると発表されましたが、2021年の新たな論文では、プラスチックごみの約80%が都市部を流れる、小規模な1000以上の河川により海に流入していることがわかりました。その汚染の筆頭の河川が、フィリピンの人口1400万人が住むマニラを流れる全長26㌔のパッシグ川とのことです。

プラスチックごみを海洋に流出している川について

このようにプラスチックごみを海洋に流出させている川の大部分はアジアの河川で、この認識は2017年の研究と変わってはいません。新しいリストの上位50河川のうち、アジアと東南アジア地域が44河川占めており、これは人口密度が高いことや雨期があることが影響していると思います。大量に雨が降ることで、ごみ廃棄場や埋め立て地から河川にプラスチックごみを流出させてしまっているからです。プラスチックごみの発生源である陸上で食い止める対策を行い、海に流出させないようにすることが重要であると思います。

樹脂窓の塩ビ樹脂のマテリアルフローについて

海洋プラスチックのごみ問題、マイクロプラスチック問題等によりプラスチック全体に厳しい対応を迫られ、資源の有効活用が求められる中でプラスチックのリサイクル促進が大きな課題となっています。そこで塩ビ製品のリサイクルの実態を把握するために、塩ビ製の樹脂窓に焦点を当ててみました。

樹脂窓は断熱性に優れており、現在では新規住宅の約20%に採用されています。国内製造の5社に対して製品としての樹脂出荷量、端材発生量などのアンケート調査を行った結果、以下のような回答が得られました。

樹脂窓の製造に関係する塩ビ樹脂のフロー図

図1.樹脂窓の製造に関係する塩ビ樹脂のフロー図

樹脂窓製造工程

図2.樹脂窓製造工程

塩ビ樹脂のフロー図を見ますと、1年間で塩ビ樹脂が27,400t樹脂窓メーカーに受け入れられ、製品として22,800tが出荷されています。樹脂窓枠の製造では、窓枠バーの材料を押出成形後、直角に組み合わせるため斜めに切ることにより端材が発生します。樹脂窓の製造工程で発生する端材6,100tの内、約900tが樹脂窓製造ラインに水平リサイクル、約1,100tが社内で別の製品の原料として使用され、社外に排出される端材は約4,100tという結果になりました。また排出された端材は品質の安定したものは、添加剤を調整するなどしてペレット化し再生原料として販売されています。

日本とドイツの樹脂窓の製造にかかわる塩ビ樹脂の流れ

表.1 日本とドイツの樹脂窓の製造にかかわる塩ビ樹脂の流れ

さらにアンケートの結果を、樹脂窓の普及が日本より進んでいるドイツと比較してみたいと思います。ドイツ国内に約6,400社あるとされる窓メーカーで、樹脂窓が約1,230万(2012年統計)生産されており、約220,000tの塩ビ樹脂を使用しています。その製造段階で発生する端材は約80,000tになります。日本では端材を樹脂窓に使用する場合、メーカーそれぞれが押出しから完成品まで製造するため、同じ樹脂窓メーカー内で行われますが、ドイツでは端材の多くは、樹脂窓組み立て会社で発生します。これは押出しを行う会社と、樹脂窓の組み立てを行う会社が別のため、より多くの端材が発生していると思われます。
日本とドイツの樹脂窓の構造が異なるため比較する事は難しいですが、日本の方が樹脂窓の製造に投入される塩ビの製品への歩留まりが良く、端材の発生を抑制しているように思われます。

 
 

海洋プラスチックごみの問題について

ある調査によると、海洋にはすでに1億5000万tものプラスチックごみがあり、現在も世界全体で年間およそ800万t規模のプラスチックごみが流れこんでいるとの事です。今後もこのペースで流入が続くと、2050年には海にいる魚と同等にまで増えると予想されています。プラスチックは軽い上に丈夫で加工し易く、便利で安価な素材ではありますが、レジ袋が分解されるまでに1000年以上もの年月を要するとの研究結果もあり、一度海に流れ込んでしまうと、環境に長い期間悪い影響を与えてしまいます。実際に海洋ごみにからまったり、摂取したりすることで絶滅危惧種を含む700種もの生き物が、傷ついたり死んだりしており、誤ってごみを摂取してしまったウミガメが全体の約50%、海鳥で約90%と推測されています。

 海洋プラスチックごみの問題について

© Troy Mayne / WWF

このように大量の海洋ごみが発生してしまう原因の一つとして、世界のプラスチックの年間生産量が過去50年で20倍に拡大していることが挙げられます。特にペットボトルやレジ袋、食品トレーなどの一度の利用で捨てられてしまう「使い捨て」に使用されることが多いパッケージ用のプラスチックの生産が、ごみの量を増やしてしまうのに大きく影響しています。その上、リサイクルや焼却処理、埋立処理が追い付かず、適切に処理されないプラスチックや、意図的に捨てられたペットボトルなどが河川や海岸から海へ流入し海洋ごみとなっています。

産業セクターごとの世界のプラスチック生産量,世界のプラスチックごみの排出量

産業セクターごとの世界のプラスチック生産量(2015年)

世界のプラスチックごみの排出量(2015年)
[出典:UNEP (2018). SINGLE-USE PLASTICS]

このような大きな問題の解決に向けた一歩として我々に出来ることは、「使い捨てプラスチック」の利用を減らしていくことです。国内で年間に使用されるレジ袋は約400億枚と推計され、一人当たり1日で
約1枚消費している計算になります。そこで多少不便ではありますが、マイバッグやマイボトルを持ち歩くことで、その利用自体を減らし海洋プラスチックごみになることを防ぎ、地球環境に負荷の掛かるこの問題に取り組む必要があると思います。

生分解プラスチックをめぐる中国の動向について

廃プラスチックによる海洋や土壌での汚染問題が深刻化し、その解決策が求められているなか日本では、2019年プラスチック資源循環戦略が策定され、2030年までにバイオマスプラスチックを200万t導入する目標を掲げ課題の一つとしております。
スペインのアルメリア県での農業廃プラのリサイクル状況をご紹介しましたが、同県では生分解性マルチの試験・普及も本格化しております。
そこで中国についてですが、プラスチック汚染対策の強化に向け、包装用フィルム、レジ袋、使い捨て
プラ食器、農業用フィルムの4分野で、生分解性プラスチックが広く利用されると期待されていますが、
現状は世界の生分解性プラの浸透率(2019年)が約3%に対して、中国は約0.63%と僅かであります。
国内の生分解性プラ産業は、現状開発の初期段階にあり、市場規模はまだ小さく技術やコストの最適化を図ることで、今後は上記4分野で約1,020万tの潜在的需要があると見込まれています。
2019年中国のプラスチック製品生産量は8,184万tに対して、下図の生分解性プラの消費量は52万t、ここ数年は右肩あがりで消費量が多くなっております。

中国における生物分解プラスチック消費量の推移

生分解性プラの浸透率を引き上げるうえで、一番期待されているのは農業用マルチです。中国農業部のデータでは2017年の地膜使用量は143.66万t、2025年には地膜のうち生分解性の浸透率が20%を達成する見込みで、市場規模は約30万tを予想しております。

生分解プラスチック市場規模予想

その取組みの一つ、重慶市の14か所ある試験区のうち1試験区では、除草目的で約150ムー(10ha)の果樹園に生分解性地膜を使用、コストは1ムーあたり120元で普通地膜より約30元高いですが、回収コストを考えると高くないと見込んでいるとのことです。ただ普及性が気になるところです。もう一つ、甘州の農業技術普及センターは、3年間生分解性地膜と高効率環境フィルムの実証試験を21か所、計5,000ムー(333ha)でトウモロコシ、ジャガイモ、トマト、タマネギなどを対象に行い、ジャガイモなどの根菜作物は普通フィルムと比較し、約10~15%収穫量が増加しました。一方生分解性地膜は、使用後6か月間土壌に埋められ、二酸化炭素と水に分解され土壌汚染することなく、土壌の品質を向上させ、合わせて地膜回収の手間を省き農民の負担を軽減しました。またこの地区では2021年、80,000ムー(5,336ha)に生分解性地膜を普及させるために、プロジェクト資金を確保し、地域全体の農業生産と環境保護に役立てようとしています。このように各地区での取組みをみますと、中国では生分解性プラスチックの本格的な普及に向け動き出していると思います。

 
 

プラスチックごみ削減に向けたドイツの政策について

日本でレジ袋の有料化が始まって1年が経ちました。

開始から半年後の環境省の調査では、レジ袋をもらわない人が倍に増えるなど、ある程度の効果はみられるようですが、生活様式の変化にはまだ至っていないように思えます。その一方でプラスチックごみ削減に向けて環境政策を進める国ドイツ。

現在、ドイツでは小売店にレジ袋の有料化を義務づけています。2016年から進められてきました有料化により、ドイツ国内のは年間消費量48億枚(2015年)から15億枚(2019年)へと減少。さらに減らすために2020年包装法の改正案が可決され、2022年1月よりレジ袋の取り扱い自体が禁止となりました。

その上、日本では有料化の対象外となっている、バイオプラスチック製や生分解性のレジ袋も、環境に対して負荷が高いことから禁止対象とされています。すでに多くの小売店では有料紙袋や厚手のバッグに切り替えており、環境省も繰り返し使えるエコバックやカゴの利用を推奨しています。

プラスチックごみ削減に向けたドイツの政策について1

レジ袋の禁止以外にも生活する上で様々な場面で、プラスチックごみ削減に向けた動きが加速しています。

すべての使い捨てペットボトル容器にデポジットが課金され回収が促進されることや(2022年施行)、飲食店では繰り返し使うことが出来るリターナブル容器やカップの提供が義務付けられること(2023年施行)が決定しております。今年の7月からはスプーン、フォーク、皿、ストロー、マドラーなどの使い捨てプラスチック製品が禁止となっておりますし、発泡スチロール製のテイクアウト容器やカップも禁止対象になっている為、多くの飲食店では紙製やリサイクル可能な容器に切り替わっています。

プラスチックごみ削減に向けたドイツの政策について2
 

ドイツにおけるプラスチックのマテリアルフローついて

マテリアルフロー全体像(下図)2019年ドイツのプラスチック生産量は、バージン原料10.3百万t、リサイクル材料2.0百万tでした。この生産量に輸出入の差(+1.9百万t)が加わり、加工段階へ14.2百万tが投入されます。次にゴミと回収の段階ですが、ゴミ6.3百万tのうち、そのまま廃棄されるのは0.1百万t以下にすぎず、6.2百万tはリサイクルと熱回収に利用されます。

プラスチックのマテリアルフロー図

前述のリカバリ量6.2百万t(主要量5.35百万t)の内、2.93百万tがメカニカル(日本ではマテリアル)リサイクルまたはフィードストック(日本ではケミカル)リサイクルされています。このうち0.58百万tが輸出されリサイクル工程で0.3百万tが熱回収、フィードストックリサイクルは0.01百万tです。このため国内でメカニカルリサイクルされる量は2.04百万t、残り3.31百万tの内2/3は都市ごみ焼却による熱回収、1/3は固形燃料を介して発電所などで熱回収されています。

日独の樹脂生産量,プラスチック廃棄物処理方法

プラスチックごみの処理方法は、ドイツではメカニカルリサイクルが47%と日本の2倍以上の割合になっており、日本ドイツ共に熱回収の割合が高くなっています。日本とドイツの最大の違いは、日本は未利用(単純焼却や埋立処理)が1.24百万tと相当な量があることです。ドイツでは埋立処理が原則禁止な上、容器包装法によるリカバリ目標が90%であることと、メカニカルリサイクル目標58.5%(2019年)の影響が大きいと考えられます。今後は、先述した日本のメカニカルリサイクルの割合をドイツ並みに引き上げる目標を掲げ、未利用のゴミの量を減じていく必要があると思います。